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五 あの、人……だれ……?

side斎月4

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「お前の『ごめんなさい』『もうしません』は全く当てにならんな? 俺が聞くのは何百回目だ? ん?」

「ごふぇんにゃさい~」

頬を摘ままれて半分泣きかけた。本当を言うなら千回単位かもしれない。

「――ま、俺が治すからいいんだけどな」

「ふぇ?」

ぶにぶにされていたのが止まり、主咲くんの黒曜の瞳を見返す。

無表情の中の瞳に、真っ直ぐに私が映っていた。

「さくの傷の治療はどうすればいい?」

「………」

「言わないと治せないぞ?」

「………」

「ん?」

「―――」

だきっ。主咲くんの羽織を摑んで、思いっきり抱き付いた。

今までにしたことのない反応に、主咲くんは刹那止まってしまった。

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