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五 あの、人……だれ……?

side咲桜27

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「……普通言えねえだろ。咲桜をこっちに巻き込みたくないし」

……やっぱり、そういう風に思っていたんだ。巻き込みたくない、と。

「まあ普通じゃ言えないですよね。私とか流夜兄さんとか、頭おかしい連中ばっかだし」

「そういう意味じゃねえよ。……お前も、華宮(かみや)とか巻き込もうと思わねえだろ」

「あの三人は巻き込もうとしなくても追突してくるからなあ」

「……例えが悪かった。咲桜にはあんまりそういう……話はしたくないと思うんだよ。理由ははっきり言えないんだけど……なんとなく」

「………」

あ、この感じ。既視感。

「なんとなくだけどわかるかも。たぶん在義父さんも、そういう風だと思う」

私に、仕事の話をしたことがない父さん。仕事柄、話せないし話したくないのだろう。

「一つ、訊いてもいい?」

「うん?」

「なんですか?」

「二人は――代わりはいないんですね?」

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