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三 まず爆発させないから。

side剣1

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「いらっしゃいませー。あ、ゼンおかえりー」

「ただいま。……レンは何してるんだ?」

閉店間際、店員なのにカウンターについているレンを見て、仕事あがりのゼン――天科全は眉を寄せた。

「うん。今日ね、流夜が彼女連れて来たんだよねー」

カウンターの中から答える。ゼンはレンの隣に腰かけた。

「あいつも落ち着いたな」

「そうなんだけどね、レンが、流夜と蒼ってどう違うの? って言い出して」

レンは仕事終わりの旦那を見上げた。

「思わない? 蒼と流夜ってどことなく似てない? こう中心核にあるタイプとかさ」

「あー、パッと見はな。でも、条件比較すれば違いは簡単に大きいだろ」

ゼンは俺に、「コーヒー」と頼んできた。「はーい」と応じる。

「条件?」

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