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二 さて。
side遙音9
しおりを挟む「な、なにが?」
「なんだろね? でも、言ったろ? 笑満ちゃんもらうって」
「もら……どこでそんな言葉覚えたの!」
「雲居とか神宮あたりかなー」
「変なこと吹き込まれちゃダメでしょ!」
「変なことかな? 俺が何したいか、わかってるよね?」
「う……」
「笑満ちゃんがやだったらまだしないけど、俺はもうほしい」
「~~~」
「いやだったら逃げて」
「……………逃げられるわけ、ないよ……」
小さな答えを聞いて、嬉しさを隠せず微笑んだ。
俺の楽しそうな視線と、笑満ちゃんの恥ずかしそうな視線が絡み合う。
「――ずっと好きだった。笑満ちゃんのこと。だからこれからも、好きでいさせて」
「………あたしも、遙音くんだけが大すきです……」
重なった唇のあたたかさ。
繋いだ手は、もう解かれない。
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