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二 さて。

side遙音7

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「……本当言うとね? 笑満ちゃん、咲桜のことがすきだから、俺のこともすきでいてくれたのかなって、思う時があんだ」

「―――」

「これは言うつもりなかったんだけど……―――

「ばか」

平坦な声で言われて、俺がうつむけていた顔をあげると同時に、頬に柔らかい熱が触れた。

………え。

「咲桜は、あたしの憧れる姿、ではあるよ。咲桜みたいに強くなりたいって。あんな風に凛然と生きたいって。でも、遙音くんはそうじゃない。遙音くんはその――……ずっと、一緒にいたい人だよ。遙音くんみたいになりたい、より、遙音くんが安心出来る場所になりたいって、思う」

「―――」

「だからね、あたしが咲桜に言う王子様って、男の人扱いじゃないから。お姫様でもいんだけど、咲桜はカッコよさが勝ってるから、王子様って言ってるだけ。……でも、遙音くんがそれがいやだったら、あたしの天使って言う」

「………」

て、天使……。こっちが引くくらい咲桜大すきだな、笑満ちゃんは。

でも、俺のことをそういう風に思ってくれるのは、素直に嬉しい。

「……攫ったついでに、もう一個意地悪いこと訊いてもいい?」

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