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6 残滓

side黎6

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「………」

「そんときに真紅ちゃんの血ももらった」

「……否定はしない」

「……大丈夫なの?」

「真紅は生きてるだろ」

「兄貴の方だよ。……黒藤様も御門の主も断言はしなかったけど、……」

途中まで言いかけて、架は口を噤んだ。

それ以上は、知っていても言ってはいけないことのように。

「架。一度家に戻る」

「……ん?」

「桜城の家に戻る。誠(まこと)さんには連絡してある」







「おかえりなさい! レイ!」

「……ただいま帰りました」

桜城家の門を弟とともにくぐった途端飛び出して来た母に、疲れた顔で応じた。それに架の母が継ぐ。

「まったくこんな夜更けに来るんだもの。昼間に来ていたらもっとみんなでお迎えしたのに」

「……それが嫌だからこんな時間なんですが」

そして父も待っていた。

「架も一緒ということは、兄弟喧嘩は終わったのか?」

「……そもそも喧嘩なんかしていません」

俺が桜城の敷地に入るなり、弾丸のように飛んできた三人。

父の誠さんと、母の美愛さん。そして、架の母の弥生さんだ。

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