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6 残滓
side真紅23
しおりを挟む「……陰陽師やこちらの世界へは入らないということか?」
「……まだ、決めかねてる。今、私にとって一番大きい問題は、黎の中にある私の血。もし、私が影小路や桜木としての力を手放したなら、黎の中の血も、力を失ったりする?」
私の力が血によって定められているとしたら、その可能性はないだろうか。
「出来るよ」
「っ!」
「真紅が力を捨て、ただの人間になることは出来る。ただし、その代償として、真紅がこの先その力を取り戻すことは叶わないだろう」
「―――」
「つまり、黎明のの血から、眠る真紅の血の退鬼師性を除くために真紅が人間になる。これによって黎明のを退鬼する可能性がなくなるというのは賭けだ。どちらに寄るかは、何度も言うが、真紅の血がどの性(さが)を多く持っているかに寄る。だが、紅緒様の封じの上では、俺たちに推し量ることは難しい」
「………」
「その次に来る問題は海雨の残滓を取り除くことだな。真紅は自分がやりたいと言ったが、危急を要するのは黎明のだ。そのために力を捨てれば、取り戻すこと叶わず、海雨の浄化を真紅が行うことは出来ない。こちらは確定と言っていい」
「……それじゃ、海雨は……」
「海雨の浄化を俺が請け負うことは出来る。だが、真紅の望んだ形は不可能になる。そして、真紅がやるのが一番よいのではないかというのが俺と黒の見解でもある。……こんな言い方になってしまうが、生来の力を捨てると言うことは、真紅にとって二者択一となる問題がついてくる」
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