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5 鬼人
side真紅28
しおりを挟む「なんだ?」
「白ちゃん……二つ、訊きたいことがあるの」
「うん」
「その……普通の人には視えないモノが、人間に……取り憑く? っていうのかな……ずっとその人の影に混ざりこんでいて、その人を、殺さずに、でも、身体的に弱い状態でいさせることって、ある?」
白ちゃんは、私の現状を悟ってくれた。
けど、自分ではまだそれが『感覚的』にしかわからない。
説明したいことも核が摑めず、あやふやな言い方になってしまった。
「それは……真紅の近くにそういう人がいるということか?」
「うん……幼稚園からの幼馴染で、病弱っていうか……入院がちなの。昨日、はっきり目に見えるまで全然気づかなくて……昨日気づいたのも病院を離れたあとだから、視えるようになってから逢ってない。今日見たら何か違うかなって思ってるんだけど……」
「……簡単にその事象の是非で答えるなら、それはあり得ないとは言えない。俺たちは前例のないモノを相手にすることが多いから、まず否定は出来ないな」
白ちゃんは慎重に答えた。
前例のないモノ……。
「……桜城くん」
「なに?」
「正直、私はこれからの話をする前に、白ちゃんと二人にしてほしいのだけど……」
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