朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】

桜月真澄

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side咲桜18

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誰にも話せないこと、ではなかった。

笑満にも夜々さんにも話している。在義父さんにも。

気恥ずかしいのと、申し訳ないの。

不安に苛まれていたけど、傍らに夜々さんがいてくれたから、高校に入る前に、在義父さんにも相談していた。

在義父さんは、私の嗚咽まじりの話と、夜々さんの説明を聞いて、

「そう。……今まで、言えなくてごめんな?」

そういうことを話せる環境を作らなかったことを、むしろ詫びられた。そうして、

「私は咲桜が娘だという、それだけで十分だ。だから、咲桜は自分の心と話していい。私や夜々ちゃんや、箏子先生のことは気にしなくていい。笑満ちゃんに話すことは、咲桜がどうするか決めることだ。話すも、話さないも。……咲桜は、自分の心と身体を一番に考えて、大事にしてあげなさい」

……そう、頭を撫でられた。

どれほどの人を父に持ったのだろう。

もう嗚咽では済まなくて、泣きながら何度も肯いた。

ありがとうと繰り返した。

一番に私を傷つけない道を示してくれるのは、いつも在義父さんだった。

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