朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】

桜月真澄

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side…6

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「なんで、すか……今の話……なんか、声聞こえて来て……知ってる、声だったから、来たんです、けど………」

「咲桜、何も話さなくていい」

在義父さんが必死に制止をかけるけど、瞬きすらしない出来ない私の声は続く。

「わたし……かあさん……桃子、母さんは、みるこさん、なんですか? それに、もう一つ、おやこ関係、って――――」

「咲桜!! 口にするんじゃない!」

「あ…………あああああああああああああああああああああ!」

頭を抱えて、絶叫した。

身体から力が抜けて、足が崩れた。

抱き留めた父さんが怒っているのがわかる。

でも、それ以上にわかる。

わかってしまったのは、自分の出自だと。

「咲桜、咲桜!」

「いやあああああああああああああああああああああ!」

心なんて壊れてしまえ。現実なんていらない。私の命が……血が、あなたから総てを奪った理由でしかない世界なんて。

「咲桜」

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