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side咲桜10

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ボンベイタイプ――百万人に一人の割合の、珍しい血液型だ。

当然、輸血のストックも病院によってはないところもあるほどと聞く。

尊さんの表情の意味がわかった私は、すぐさま答えた。

「私から取ってください。私もボンベイタイプです」

尊さんが驚いたように顔を跳ね上げた。

「本当?」

「はい。今までも、輸血用に提供したことがあります。少しくらい多くとってもらっても構いません」

「――わかりました。感謝します。では、咲桜さんと――笑満さんも、病院へ同行してもらえますか? わたしも一人、タイプの心当たりがあるので、来るよう連絡しますので」

『はい』

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