朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】

桜月真澄

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side咲桜6

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中に入って鍵を閉めた。

換気扇を回して、料理を作る。

もしかしたら来たことを怒られるかもしれない。

流夜くんの変な方向に真面目な性格からして、たぶんそうなる。

でも、いい。

怒られたら明日は来られないかもしれない不安があるので、量は多めに作った。

流夜くんのすきなものばかり。

ローテーブルに置いたり、タッパーに入れて冷蔵庫に入れたところで玄関が開く音がした。

帰ってきた。

時間が惜しいのでエプロンで手を拭きながら迎えに出た。

「お、おかえりなさい」

声が震えた。

玄関で立ち尽くしているのは、眼鏡をかけた流夜くんだった。

「……咲桜?」

まるで幻でも見ているような顔だ。

「うん、おかえりなさい、流夜くん」

一週間ぶり――こんなに離れたのは、頼に怪しまれた時以来だ。

あのとき流夜くんは、解決後私を抱き寄せて触りまくった。

今ならその気持ちもわかる気がした。

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