朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】

桜月真澄

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side流夜3

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教務主任・稲葉と、教頭・海彦は俺たちが高校生の頃から藤城にいたはずだ。

「今日はどうしたんですか? いきなりでびっくりしています。それに、神宮先生ですか?」

海彦教頭が代表して問う。吹雪はやっぱり微笑んだ。

「なんだ。忘れてるじゃないですか。――今回の交渉人(ネゴシエーター)はこちらの雲居です。僕は依頼者から経過を見守るように仰せつかりました。――降渡」

吹雪が話を振ると、降渡は居住まいを正した。

「突然押しかけたこと、謝罪致します。大変失礼致しました。本日は、警察上層部からの依頼を持ってきました。こちらの教師、神宮流夜を警察にいただきたいのです」

ざわっと、応接室内もそれが聞こえた廊下もざわめき立った。俺がイラついたことに、咲桜と遙音は気づいたはずだ。

「警察? 神宮先生、なにかしたんですか?」

海彦教頭は驚きの瞳で、つっ立っている俺を見上げてきた。

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