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side咲桜5
しおりを挟む……なんでだろう。なんでこんなに、真っ直ぐに言葉してくれんだろう。なんでこんなに、愛してくれるんだろう。なんでこんなに、……―――愛することが、できるん、だ、ろう……。
「か、母さん!」
私も、母の影を見つめて叫んだ。
「私の、大すきな人なの。ずっと、一緒にいたい人なの。お願いします。付き合ってること、け……結婚すること、認めてください。お願いします」
勢いよく頭を下げる。
答えが返ってくることがないとわかっていても、そうせずにはいられなかった。
「……咲桜」
隣から降る柔らかい声に、泣きかけの顔をあげた。
「うん。ありがとう」
「あ、こちらこそ」
また、手が繋がれた。
そのまま、桃子母さんの横たわる石の室を見る。
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