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side咲桜4

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「咲桜としか考えたことないから一般的とか知らないけど、咲桜の母君だからストレートに言わないと曲解上等だろうなあ、と」

「う」

は、反論出来ない……。その思考回路の所為で、自分、今までも色々流夜くんに迷惑をかけているらしい……。

「まあ、反対されてももらっていきますけど」

「今までの挨拶台無しだよ!」

思わず叫ぶと、流夜くんは「うん」と目を細めた。

「いつもの調子、戻ったな」

「う」

……自分のテンションまで取り扱われていた……。さすが流夜くん。何枚も上手。

「一番は――」

と、言葉を返せない私の肩を、流夜くんが抱き寄せた。

「咲桜に、生きていることを後悔させませんので、ご安心ください」

「―――――――」

「最後を越えても愛しています。……どうか、お認めください」

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