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side流夜20
しおりを挟む「あ、母さん――」
「夜々子。お前の役目が多くなりました」
「え?」
「……学校で、何があっても問題にさせてはいけませんよ。………咲桜のために」
小さく言って、箏子さんは在義さんの隣をすり抜けて出て行ってしまった。
咲桜と朝間先生はぽかんとした顔でその背を見送る。
扉は閉まり、外の光が消える。口を開いたのは降渡だった。
「あー、疲れたー」
「悪かったな。急に」
「いや、それはいんだけどな? 在義さんに化けろってムリ多すぎだし」
「いや、降渡くんの腕もあがったよねえ」
「お褒めにあずかり光栄です。じゃ、次の仕事あるから行くわ」
「ああ」
「それから咲桜ちゃん。絆がりゅうの落としどころ狙ってるから、話すときは気を付けてねー」
「えっ、あ、はいっ」
咲桜の硬直が融けて、反射的に返事した。降渡はにこやかに出て行く。
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