朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】

桜月真澄

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side旭葵3

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「ん? 別に、朝間先生は華取の家の隣で、咲桜の母親みたいな人で、咲桜の父である在義さんの幼馴染ってだけだぞ?」

「…………そうなのか?」

俺の動揺が完璧に見抜かれている。

むしろそっちの観察眼の方が怖い。

「そうですよ。私がすきなのは咲桜ちゃんのお父さんの在義兄さんだけです」

可愛らしく言われたが、それもなかなか爆弾な気がする。

咲桜の父ってことはつまり、妻子がいる人なんじゃ……。

「咲桜の母親は亡くなっていて、咲桜も慕っているから……俺も邪険には出来ない。さっさと在義さんと結婚してくれませんか」

「そこまで踏み込みますか。せめて靴を脱いで揃えてから入ってくださいよ」

「そんな手間かけてられますか。貴女に」

「………」

ああ……なんとなくだけど理解が追いついて来た。

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