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side咲桜59

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「遙音くん、僕たちなりにだけど、君の支えになりたいと思っている。神宮先生たちみたいに助けることは出来ないかもしれないけど……僕たちに、遠慮はしないでほしい」

「……ありがとございます。笑満ちゃんのご両親に――おじさんとおばさんに、そう言ってもらえて嬉しいです」

やっと、先輩は少し柔らかい音になっている。

「神宮先生」

と、生満子さんが流夜くんの方を見た。

「遙音のこと、ありがとうごいざいました。先生方のおかげで、笑満は遙音に逢うことが出来たんですね」

進学するつもりはなかった――先輩は、はっきりそう決意していた。

それを覆させたのが、流夜くんが教職に進んだことだ。

「いえ。遙音の意志あってのことです。それに、遙音が施設を出て数年は、二宮さんのところで預かってもらっていましたから」

「二宮さん……出来たらその方にもお逢いしたいのですが……」

「………」

流夜くん、黙った。声を挟んだのは降渡さんだった。

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