朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】

桜月真澄

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side咲桜48

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……私のために、無理をさせてしまっているのかもしれない。

「咲桜?」

笑満に下から顔を覗き込まれて、はっと意識を取り戻した。

「どうしたの? 蒼い顔してる……調子悪かったら帰った方がいいんじゃ……」

指摘されて、右手の甲を頬に押し当てた。隠すように。

「あ、ううん。ちょっと考えごとしてただけだから。大丈夫」

「ほんと? ……あ、さっきの着物の人? あたし気が廻らなかったけど、咲桜の知り合い?」

まだ、笑満の両親は来ていないようだ。

フロアには流夜くんと降渡さんと遙音先輩。

吹雪さんは私たちと休憩室の入り口辺りにいて、頼は開いた扉に隠れるようにフロアを窺っている。

笑満と私も声が聞こえるようにとその近くにいる。

椅子に座っているような心の余裕はない。

「あ、えっと……」

司國陽。

斎月の恋人。

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