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1 龍神様と水鏡
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しおりを挟む(……私をあの世に連れて行こうと……してるんなら、あの時止めてないか……)
それどころか中学三年生になる今まで、ずっと見守って支えてくれた存在だ。
疑う、という気持ちより、不思議という感情が勝っている。
どうして私だったんだろう。どうしてずっとそばにいてくれたんだろう。
そしてあの鏡。水となって消えてしまったように思える。
(宝物……取り返せるかわからなかったけど、消えちゃったんだ……)
奏があそこまで怒り狂うなら、美也への嫌がらせのために自分で隠しているわけではないだろう。
榊に、ごめんなさいと言わなくちゃ。
(明日……朝、榊さんが待ってるって言ってくれてた……)
逢えば、いつも通りに振る舞えるだろうか。
いや、難しい。
榊に対しては素直な気持ちが出てしまうので、たぶん、今、心のある疑問を口にしてしまう。
そうしたら……もう、この関係は終わってしまうかもしれない。
幽霊の榊が消えてしまうとか、美也がこの世ではない場所に連れていかれてしまうとか……榊を人間でないと仮定すると、想像は膨らむ一方だ。
(明日……朝、私、行けるのかな……)
不安と疑問にさいなまれて、結局美也は明け方まで眠れなかった。
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