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六 わりーわりー、足が滑った。
side咲桜6
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そう返せないのが、今の自分の位置だ。
生徒というしばりの。
……でも。
「すきですよ。ずっと、絶対」
「――え」
顔をあげた宮寺先生と目が合った。
「えっ! ご、ごめん! そうだよね、別にすきになっちゃいけないとかないよね、だからあの――泣き止んでください!」
懇願された。
……泣き?
頬に触ってみると、涙がまとわりついてきた。な、何故泣く! 自分!
焦って困って顔をこすっていると、隣で宮寺先生も困っていた。
「すみません、なんか踏み込んだこと訊いちゃって……。教師と付き合う、とかはないけど、すきでいるくらいは気持ちの問題だよね。……――ただ、あの
「そこまで、宮寺」
ふっと、視界が昏くなった。雲? 違う。隙間から太陽の光を見せているのは、大きな手だった。
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