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五 タチが悪いタイプの天才だ。

side咲桜57

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「在義はお前に甘いですからね。問題が起こってからでは遅いのです。事前に防ぎなさい」

「………はい」

畏(かしこ)まって、小さな声で返事をする。

「わかっているならいいのです。それでは、わたくしはこれで」

さっと着物の端を揃えて、箏子師匠は立ち上がる。

習慣で、玄関まで見送るために遅れてあとをついた。

下駄を履く前に、ふと箏子師匠が私を見上げて来た。

「しかしお前は大きくなりましたねえ……」

「え、そうですか?」

最近、流夜くんや降渡さんや、背の高い人が周りにいることが多いから失念していたけど、私は同年代女子に比べて背が高い方だった。

学年の女子でも一番高いし。

すぐに箏子師匠は正面に向いた。

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