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五 タチが悪いタイプの天才だ。

side流夜11

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「絆も言いくるめられてなんかねーよ」

「はいはいそうだね。絆ちゃんもカウントしておこう。それで――ん、盗聴器の類はなし。正統派人間の琉奏は考えもしないか……。ま、相手が誰か、は、ばれてないね」

「だな。生徒だって知ったらぶん殴って来そうだもんな」

……宮寺は咲桜のことを、『相手の女性の方』という言い方をしていた。

生徒で、しかも後輩にあたる子が俺の恋人だと知っていればそういう言い回しはしないだろう。

カマをかけていたのだとしても、あっさりカマにかかっている俺をそのまま残してはいかない。

何かしら、証拠を握ろうとするだろう。

それでも先ほどは、本当に忠告だけで帰って行った。

忠告がトドメだったけど。

「……俺は口を開けば事態を悪化しかさせないのか……?」

本気で悔いていると、吹雪はへらっと笑う。

「今頃気づいたの?」

「―――」

トドメをさした上に塩塗りこんできやがった。鬼かこいつは。

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