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五 タチが悪いタイプの天才だ。
side流夜3
しおりを挟む「じゃ、これお礼に」
と降渡が一枚の紙を差し出した。
何の礼だよ。
「お前に接触したいって、依頼された」
「俺? 今は表立って動いてないけど」
俺が存在を隠さずに警察に関わっていたのは学生時代だ。
勿論学校側にはおおっぴらには言っていなかったけど、今のように完全に影に徹してはいなかった。
だからむしろ、今の隠れた場所から動いている俺への接触を図るとは一体?
「琉奏から」
ばしっ。
勢いよく紙を引っ叩いた。
「おい! 拒絶の仕方が小学生だよ!」
折線がついてしまった紙を直しながら、降渡は背中を向けた俺に噛み付く。
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