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五 タチが悪いタイプの天才だ。
side咲桜21
しおりを挟む確かめるような口調に、宮寺先生の方もはっきりとは認識していなかったのかと疑う。
「咲桜、宮寺先生と知り合いなの?」
間の悪いことに――それともよいことか、今一緒にいるのは笑満だけではなかった。
クラスの友人と、まとまって帰っていたところだ。
「華取さん、少し話したいことがあるんですけど、時間ありますか?」
問われて、私の視線は彷徨った。
視界の隅に笑満が肯くのが見えた。
「咲桜! せっかくあの宮寺先生と話せる機会なんだから言ってきなよ! あたし、遙音くんと約束してるし」
笑満が笑顔で、ぐいっと咲桜の背中を押す。
反応したのはクラスメイトだった。
「笑満ってば、どうしたらあの最優秀の夏島先輩と付き合えるの?」
「夏島先輩に彼女いなかったってのも驚きだけどねー」
「二年の先輩とかから嫌がらせされたらうちらに言うんだよ? みんなで乗り込むから!」
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