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五 タチが悪いタイプの天才だ。

side頼1

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「……賑やかな奴らだな」

「だから楽しいんですよ。俺も早くあそこに混ざりたいんで、なに? ほんとに俺殴られんの? じゃー一発どうぞ」

「殴る気はない。お前に訊きたいことがあるんだよ」

「なんすか。咲桜が泣かして来たヤツらですか? つってもここには小学中学の馴染みは俺と笑満しかいませんよ?」

「そんなことじゃない。咲桜と――松生がどういう風に知り合ったのか、日義は知っているのか?」

「え? ああ、まあ。その前は俺しか咲桜のダチじゃなかったっすからね」

「じゃあその――咲桜が松生の手を引いたって、どういう意味なんだ? 遙音がぼかして教えてくれなかったんだが」

「手? ……ああ、公園のですか。つか、そんなの咲桜に直接訊けばいいじゃないですか。わざわざ俺に言わなくても」

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