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五 タチが悪いタイプの天才だ。
side咲桜18
しおりを挟む頼が手にしていた創部届を笑満が奪って、その勢いで私の腕と先輩の手を摑む。
「流夜くん! 一応頼は生徒なんだから、その辺りはわきまえてくださいよ?」
「問題ない。迷惑かけてすまない」
「ならいいです。頼、ケジメ、なんでしょ?」
笑満に言われて、頼ははっとしたように瞬いた。
「じゃーまた明日! さー帰りましょー」
笑満が私たちの腕をぐいぐい引っ張って教室を出た。
「俺は引っ張らなくても素直に帰るよ?」
「はっ! ご、ごめんなさいっ」
「謝らないでいいから手繋いでていい? どっちかっつーとそっちの手は放してもらいたいかな」
「でも捕まえてないと咲桜が戻っちゃう」
「咲桜もそこまでわからない奴じゃないだろ。咲桜。――男同士の話だって、理解してあげろよ?」
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