184 / 299
五 タチが悪いタイプの天才だ。
side咲桜4
しおりを挟む「咲桜、俺の所為で色々苦労かけてきたから――あの人なら、たぶんそういうのからも護ってくれると思うから、この辺りでケジメ、かな」
「「………」」
苦労かけた自覚あったのか。自覚あるならもっと早くにどうにかしてほしかったよ。
「……あの人はさ、本物の天才だよ」
「え、今度はなに? いきなり」
頼は突と喋り出した。
旧校舎に近づき、もう生徒も見えなくなる場所だ。
頼はまた「んー」と唸る。
「ちょっと探したんだけど、あの人は紛いなく間違いなく天才。春芽吹雪や雲居降渡は秀才ではあるけど――春芽吹雪は、まあフィフティーフィフティーな面もあるけど。……あの人は、タチが悪いタイプの天才だ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
20
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる