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五 タチが悪いタイプの天才だ。

side咲桜4

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「咲桜、俺の所為で色々苦労かけてきたから――あの人なら、たぶんそういうのからも護ってくれると思うから、この辺りでケジメ、かな」

「「………」」

苦労かけた自覚あったのか。自覚あるならもっと早くにどうにかしてほしかったよ。

「……あの人はさ、本物の天才だよ」

「え、今度はなに? いきなり」

頼は突と喋り出した。

旧校舎に近づき、もう生徒も見えなくなる場所だ。

頼はまた「んー」と唸る。

「ちょっと探したんだけど、あの人は紛いなく間違いなく天才。春芽吹雪や雲居降渡は秀才ではあるけど――春芽吹雪は、まあフィフティーフィフティーな面もあるけど。……あの人は、タチが悪いタイプの天才だ」

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