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五 タチが悪いタイプの天才だ。
side咲桜1
しおりを挟む「咲桜―、これに名前書いてー」
ぴらっと顔の前に紙が突き出された。
「頼? なにこれ」
「いいから。名前書くだけで。あと笑満も」
放課後になって帰り支度をしていると、いつの間にか教室からいなくなっていた頼が帰ってきた。
二人して首を傾げたけど、言われたとおりに署名した。
笑満も続ける。
「よし。んじゃ行くか」
「「どこに?」」
「旧校舎。顧問の承諾もらって、生徒会に提出すれば終わりだったかなー」
雑な返事をしながら、頼は自分の鞄を手にして教室を出て行こうとする。
「え、なに、顧問って」
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