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二 それでも君は咲桜を望むのか?
side流夜6
しおりを挟むもう放課後。
咲桜が旧校舎まで来ることもあるから、今日は来ないように連絡しておこう。
万が一連絡が遅れて宮寺に見られたら、咲桜への説明の前に一つヤマが生じる。
メールにしようとして、何となく通話ボタンの方を押してしまった。
あ、やべ。
『はいっ! 咲桜ですよ!』
……若干咲桜のテンションがおかしい気がしたが、今のところは無事なようだ。
危険はあったけど、やはり電話してよかった。
咲桜は声だけでも癒しだ。
「咲桜、すまないが今日は旧校舎に来ないで、真っ直ぐ華取の家に帰れるか?」
『うん? 何かあったの?』
「……俺の昔の知り合いのことで、少し話さなければいけないことが出来た」
『それって宮寺先生?』
「……知ってたか」
驚きはあまりない。
宮寺が現れたとき、咲桜も離れてはいたが廊下にいた。
話しかけて来た生徒より、咲桜にばかり意識は向いていたのも事実だ。
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