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二 それでも君は咲桜を望むのか?

side咲桜3

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流夜くんが、学生時代に恋人の数が多かったことは聞いている。

その人たちに嫉妬をしたのも事実。

でも、『恋愛感情を持ったのは咲桜だけだ』と宣言してくれたから、不安になることはなかった。

……今は違う。

現在進行形で、流夜くんを想っている――かもしれない人がいる。

すぐそばに。

「さおー。大丈夫だよ。あの人は生徒に付け入られる隙なんて見せない」

いつの間に起きたのか、頼が腕に顎を載せてこちらを見上げていた。

「………」

「あの人の本性も知らないですきなんて言ってる人、気にするに値しないよ」

バッサリだった。

……流夜くんの本性を知らないのは仕方ない。

本人が隠しているのだから。

でも、私だって知らなかった。

私が惹かれたのは素の流夜くんだった。

あの子は? もし何らかの事情で流夜くんの素顔を知ってしまったら? 

……自分みたいに、もっとすきになってしまうかもしれない。

頼に返事が出来ないでいると、小さくため息が聞こえた。

「咲桜。この言い方は怒られるかもしれないけど、学校でのあの人は偽モノだよ」

「―――」

はっとした。

にせもの。

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