17 / 299
一 流夜くんの寝言と言うか……。
side咲桜17
しおりを挟む「咲桜ちゃん、美流子さんのこと黙ってたの、流夜を責めないであげてね」
「あー、あいつ、美流子さんのことはずっと悩んでるからなー」
「……はい」
責める気なんてさらさらない。
話してもらえなかったことを淋しく感じるけれど、複雑過ぎる流夜くんの立場を思えば、言える言葉もないくらいだ……。
お姉さん、か……。
私にきょうだいはいない。
在義父さんとは血の繋がりはない。
私の血縁は、亡くなった桃子母さんだけだ。
けど在義父さんが娘バカとか親バカとか言われるほど構って育ててくれたので、血縁がいないことを淋しく思ったことはない。
流夜くんは家族を殺されているけど、行方不明のお姉さんがいる。
……それだけで、私との立ち位置は随分違って見える。
……逢いたいよね。
私は『誰か』を探したことはないけれど、流夜くんは探し続けている。
だったら、背中を押して、それこそ――支えるのが私に出来ることじゃないかな。
今日、流夜くんはどうしてもはずせない用事があるから、と……大分悲壮な顔で言っていたのが気になる。
どんな用事かまでは教えてくれなかったけど、もし時間があったら、逢えたらいいな。
在義父さんの要求へに対応も、二人で考えなくちゃいけないし。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
20
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる