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五 想い

side作之助14

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水都さん、唇を噛みしめて泣いていた。

泣かす気はないんだけどと、水都さんの頬に手をあてて拭う。

まったく水都さんは素直だ。軽く笑いがこぼれた。お互いから。

「水都さんの父様の説得がんばるから」

「……うん……っ」

「それはどっちの返事?」

「え、えー、と……」

「水都さんも俺が言ったように返してくれればいいだけよ?」

そう言うと、うっと息を詰まらせたあと、水都さんは少しうつむいた。

「……わたしも作之助がすき……すきになるかも、じゃなくて、すき、です……」

水都さんがうつむいているせいで真正面の顔は見えないけど、見えている耳が朱になった。……うん。

「ありがとう。俺と付き合ってくれますか?」

「は、はい……っ」

返事と同時に顔をあげた水都さん。真っ赤だった。まあ俺も顔熱いですが。

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