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三 嫉妬
side作之助19
しおりを挟む「わかった。じゃあ」
「またねー!」
朝から元気よくぶんぶん手を振る水都さんと、苦笑交じりに俺を見送っている山手さん。
……いい友達に恵まれたね。
俺がきっかけとか、もう関係ないんだよ。
山手さんと常盤さんと友達になれたのは、水都さんが頑張ったからだよ。
教室につくと、既に何人かはいた。
この高校は中の中と上の間ってくらいのレベルだから、勉強している人もいるし何人かで集まって駄弁っている人もいる。
こんな俺にも挨拶をしてくれる人が増えてきてくれて、おはようを返しながら窓際の自分の席につく。
水都さんの暴走を脚色されないように対応しようと思っていたけど、誰からも昨日のことを言われない。
変な風には伝わっていないのかな。
それなら手間も省けていいんだけど。
ポケットからスマホを取り出すと、新着メッセージのお知らせがあった。
ん? 水都さんとは逢ったばかりだし……と思って開くと、あ、と思い出した。由羽だ。
そういえばメッセージ送ってる途中で遭遇したから、あれ、どうしたんだっけ?
画面を見ると俺からは『おはよ』と送ってあって、由羽からは『おはよう』と帰って来ていた。
……由羽いい人だな。これだけの言葉にも返してくれるとか。
……いい友達に恵まれたのは、俺もか。
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