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三 嫉妬
side水都25
しおりを挟む恥じらいを求めるような……恥じらい?
「え、なにそれ」
突拍子のない作之助の言葉に、半眼になってしまった。
「恥ずかしいって思うことくらいあるだろ?」
「あるけど……作之助に俵担ぎされたとき恥ずかしかった」
「……それは俺が悪かった。けど、同性ならともかく――いや、水都さんの場合は同性であっても異性であっても、簡単にす……すきとか言わない。誤解されるから」
「はあ……」
誤解? わたしが羽咲ちゃんや作之助を大好きなのは本当だから、誤解されるなら「嫌い」って思われる方だけど……。
って、同性も駄目なの? 女子同士って割と普通に「すきー」とか言うけど……。
羽咲ちゃんに何千回言ったかわからないよ。
作之助に食って掛かってもいいんだけど、なんとなくここは大人しく言うことを聞いておいた方がいいような気がする。
作之助と喧嘩したいわけじゃないし、むしろ喧嘩とかせずに仲良くしていたい。
「わかりました。簡単に言わないようにします」
「うん」
「だから理由を教えてください。わたしが納得出来る理由だったら、作之助の言うことききます」
そう続けると、作之助はうっと息を詰まらせた。
わたしが作之助を見たままでいると、少しため息をついてから話し出した。
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