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一 突撃
side作之助5
しおりを挟むひっと息を呑む音がした。
そのままでいると、舌打ちをして俺たちに背を向けた。
逃げるくらいなら俺にも喧嘩売らなきゃいいのに。
「藤沢さん」
「は、はい! あの、ありがとう――」
「よく今まで無事だったね」
お礼を言おうとしてくれたんだろうけど、これはちょっと怒った方がいい案件だ。嫌味気味に俺は言った。
「幼馴染でいつも一緒だった親友がめちゃくちゃ強いことで有名だったので、私も喧嘩売られたことはなかったんです」
「………」
どんだけ暗躍してんだよ幼馴染。藤沢さんが世間知らずに育ったの、幼馴染のせいじゃないのか?
「ヤンキーになりたいって言ってたけど」
ここは厳しく言おう。
「そんなことしたら藤沢さんはいつか後悔すると思うよ」
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