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六 めっちゃ仲良しじゃん!
side咲桜35
しおりを挟む「日義、俺と咲桜のこと気にしないって言ったよな?」
椅子から離れ、ついでに遙音が手を置いていた咲桜の肩をさらう。
引き寄せられて隣に立つ咲桜を見て、日義は微かに目をみはった。
「……言いました、が、それは先ほどの話です。今、先生が咲桜を抱き寄せているの、これに撮ったらどうなります?」
「消す」
端的に答えると、日義が息を呑んだ。
「咲桜とのこと、まだ知られるわけにはいかないんでな。武力行使でもなんでもしてやるよ」
暗にカメラごと壊すと言うと、日義は口元を歪めた。さも愉快そうに。楽しい恐怖対象でも見つけたように。
「……なにか勘違いしてません? 先生」
「あ?」
「咲桜にも言ったよな、俺。『彼氏の隣似合う』って。先生にも言ったと思うけど――二人が並んでいるの、俺にはすごく美麗に見えるんですよ。勿論、シンメトリーの二人が揃う奇跡にも感動しているわけですが。なので今、先生と咲桜を一枚の写真に収められるのは、俺にとっては願ってもない僥倖(ぎょうこう)なんです。――意味、通じてますかね?」
「………え、どういうこと?」
遙音が間の抜けた声を出す。
今回のこと、遙音は一切知らない。
とんだとばっちりだったな。
「俺はあなたに芸術的価値しか見ていません。安心してください」
「……すごい台詞だな」
「頼はあれで通常運転です……」
俺に答える咲桜の言葉も疲れ切っている。
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