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六 めっちゃ仲良しじゃん!
side流夜25
しおりを挟む「頼は……親父さんが水墨画家なんです。結構有名な。その影響で小さな頃は絵を描いてたらしいんだけど、性に合わなくて写真に転向したとかで。自分の好みの人間でも風景でも、被写体を見つけるとあんなにはっちゃけた性格になっちゃって……最近は騒がないから落ち着いたかと思ってたんだけど……」
はー、と長い息を吐いた咲桜。
……それで芸術家体質、というわけか。
父親の職業あたりは調べがついていた。
けど、どうして咲桜が怯えるほど警戒するのかがわからなかった。
「……俺も大概危ない奴らに関わってきたけど、あそこまで怖いと思った奴は初めてだ……」
生徒を怖いと思ったのだって初めてだ。
龍さん仕込みで武道はある程度やっているので、暴力問題を起こすような生徒の対応も心得ている。
藤城ではそんな生徒は少ないが、ただ、地味な教師に抑え込まれたとは生徒らのプライドが許さないのか、学内でも学外でも噂もされてはいない。
指から移動して、咲桜の腕に触れる。
ぴくりと肩が跳ねたのを見て、勢いよく引き込んだ。
バランスを崩した咲桜が飛び込んでくる。
難なく受け止めて、膝の上に座らせた。
「わっ、流夜くん学校でこれはまずいんじゃ――」
「日義の所為で二日もまともに逢えなかったんだ。少しくらい触らせてくれ」
直接的な言葉のせいか、咲桜の頬が朱に染まった。
「……お前、よく日義と友達でいるよな。小学校から一緒だって言ってたか?」
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