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五 今日はお出かけ! です!
side羽咲15
しおりを挟む自分には前世は関係ないと言って。
前世の恋人を探す玲くんに、出逢えたらいいねと言って。
二枚舌と言われるかもしれない。でも、総真くんの言葉は柔軟さでもあると思う。
玲くんの前世がどうとかまでは知らないけど、否定するだけでは、肯定するだけではいけないときがある気がする……。
ずっと近くで育って来て……なんとなく、玲くんは不安な人だった。
誰よりしっかりしていて、誰より保護者気質だけど、綱を渡るような危うさを持っている、って言えばいいのかな……。
だからこそ、もしもだけど、玲くんが探している人と出逢えたらいいなあと思う。
「そういえばうー、由羽の好きな人って?」
「あ、今日話すって言ってたっけ」
「うん。結構気になってた。景と違って由羽のそういう話、全然知らなかったから」
「景お兄ちゃんも筋金入りだからね……」
イトコで幼馴染のなゆお姉ちゃん大好きがずっとだから。
「お兄ちゃんの学校の人らしいんだけどね、なゆお姉ちゃんによると、お兄ちゃんが振り回していて、お兄ちゃんも振り回されてるっぽい」
「どんな状態」
「私と総真くんみたいな状態」
「納得」
されてしまった。
そして何故か総真くん、遠い目をし出した。
「本気で俺、うー以外に振り回されたことないから……」
「ご、ごごごごめんなさい……っ!?」
私、そんなに総真くんに迷惑かけてた!? うん! 迷惑かけてた記憶しかない!
「うーが謝ることじゃないよ? どっちかって言うと俺が謝ることだし……」
「? なんでそうなるの?」
何か一つ、大きな問題でもあったみたいな言い方……。
急に、総真くんの歩くスピードが遅くなった。
「……俺がさ、うーのこと大泣きさせたの、憶えてる?」
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