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三 考えてなかった……!

side羽咲2

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私の、衝撃が過ぎて思わずかすれた叫びに、水都ちゃんは驚いた顔になった。

「あ、あれだけ好き好き言ってて、そこは考えてなかったの……っ?」

「そ、総真くんを好きなことに精いっぱいと言うか、好きでいられるだけで幸せ過ぎて……それ以上は、考えてなかった……」

ずっとずっと、総真くんのことが大好きで、総真くんが存在してくれているだけで私はこの上なく幸せで……それ以上は考えてなかった……ううん、望んでいなかった……。

「それは……そのことに気づいた今も変わらないの? 総真くんと付き合いたいって思わないの……?」

私の動揺がうつったのか、水都ちゃんは不安そうな顔をしている。

水都ちゃんの言葉を考えてみた。

「………」

付き合う。総真くんと……。

「何それ最高!」

だって総真くんが彼氏とか、私が総真くんの傍に堂々といていいってことだよね!? 鼻血出そう!

「羽咲ちゃんさすがにそれは変態発言過ぎるよっ!」

「え?」

泡喰った水都ちゃんに、興奮のあまり両こぶしを握っていた腕を押さえつけられた。

視線を感じてクラスを見回すと、ドン引きした顔のクラスメイトに見つめられていた。

そして私と目が合うとさっと逸らしていくみんな。

……鼻血出そう、が声に出てみたいだ……。

確かに自分でもそれは変態発言だと思う。

「おいこら司」

「痛っ。なに、唯浜」

唯浜が、私の頭の上をノートで軽くはたいてきた。

「司のせいでこのクラス風紀やべえって思われてんだよ。少しは自重しろ」

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