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バレンタイン短編
side咲雪17
しおりを挟むそこまで計算して泣かせにいくのか……。
「そのくらいしないと二人きりになれそうにない。みんな、さゆのこと大好きだから」
「みんな、晃くんのことも大好きだよ?」
「……だといーな。でも俺が一番さゆのこと好きだからな?」
「私が一番晃くんのこと好きです。大好きですっ」
きゅっと、繋いだ手に力がこもった。
「やっぱ小雪さんに頼んどこ」
「? 何を? ……あ、動画?」
「うん。圭一さん泣くの、見てる方は面白いから」
「傍から見てれば面白いけど……お父さんと光司お父さん、あまり性格似てないよね」
「うん。圭一さんのがかわいい」
「光司お父さんは落ち着いてるよね」
……旭が言うには、私と旭は両方とも、パッと見は母親似らしいけど。
「……私と旭って似てる?」
「似てるよ」
晃くんはさらっと答えてくれた。
「兄妹って知らなかった頃も、なんとなく考え方のクセとか言い方とか似てるなって思ってた。昔馴染みの影響で似てるのかなーって」
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