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コイゴコロ8 side咲雪

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「三科、すげーカッコいい。咲雪の――友達のためにあそこまで啖呵切れるとか並じゃない。すごくカッコいい。すごく可愛い。好きんなった。だから、俺と付き合ってください」

な、殴ったとこも見たんだろう? ……巽、お前の基準はどうなっている……。

琴ちゃんの肩が、ふるふる震え出した。

「ざ、ざゆぎぢゃーん! りんぢゃーん!」

「わっ」

「おっと」

踵を返して突撃してきた琴ちゃんを、凛ちゃんと二人で受け止める。

勢いで、晃くんと繋いでいた手が離れる。晃くんが舌打ちしたのが聞こえた。

「い、今の、夢? 幻? 妄想? と、とにかく現実じゃないよね? ふ、藤沢くんが琴なんか好きになってくれるわけないよね?」

「み、三科さん!」

「本当だよ! 藤沢くんに告られたんだよ!」

……テンションがあがっているのは、さっきまで私をシメにきていた女子たちだった。

何と言うか……みんな、恋バナが好きなだけの普通の子たちなのかな……? 

私が気に入らなかったのは事実のようだけど、さっきまでの私を見る目と今受ける眼差しは全然違う気がする。

「司さん!」

「はいっ!」

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