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コイゴコロ1 side咲雪

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……やっぱり来たか。

「私たちもね、司さんが雪村くんと付き合うのに反対、ってわけじゃないんだ。ただ、みんなの雪村くんが一人のものになるのが許せないって言うか……女同士だからそう腕っぷしに差もないでしょ? 一発殴られるくらいの覚悟、あるよね?」

放課後、晃くんの周りの女子の中でも、カゲキな人たちに校舎裏に拉致されてしまった。

笑顔で言うけどめっちゃどす黒い笑顔。十人はいるかな……。

「……いいですよ、一発殴って認めてもらえるのなら」

「――ああ、そう。じゃあ雪村くんに愛想つかされるくらい殴っても文句ないんだね?――」

「好きな人を――自分の顔と天秤にかけられません」

「―――」

「顔カタチが変わって愛想つかされるなら、私がその程度、晃くんを好きだったってことでしかないんだと思います。みなさんはずっと晃くんのこと、好きだったんですよね? なら、私が請けるべきものもあると思うから」

「――――っ」

「おーっと、それ、あたしらも混ぜてもらおうか」

「殴り合いなら琴も参戦するー」

軽い調子で現れたのは、凛ちゃんと琴ちゃんだった。

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