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キモチ15 side咲雪

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「ただいまー」

……帰って来た。

わざと廊下や玄関の灯りを消して、リビングだけ明るい家の中を、まず晃くんは不審に思うだろう。

案の定、晃くはキョロキョロしながらリビングのドアを開けた。

「さゆ? 帰ってるのか――?」

「晃くん、座って」

リビングに入って来た晃くんに、厳しい視線を投げる。

「は?」

「いいから、座ってもらおうか」

「? うん」

ダイニングテーブルの向かいの席を示す。

お母さんたちも一緒のとき晃くんは私の隣に座るけど、二人の時は向かい合って座るのが習慣になっていた。

「なんで、あんなことになったのかな?」

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