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キモチ17 side晃

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「でも、入学式の日、晃くんから声かけたんだよね? 晃くんが女子を気にするの、初めて見た気がして……」

入学式? ……ああ、さゆと巽が俺を探しにきたときのことか。

「……まあ、女子だからどう、ではないんだけど、琴に夢を見ていた事実はある」

「ゆめ?」

そう、夢だ。

「……俺のごく身近にすごく仲のいい男女の幼馴染がいて、俺にもそんな存在がいたらな、って思うことが中学の頃からあった。そこへ、俺のことを知っていても腫物扱いしない琴とまた逢って、もしかしたら琴が、巽にとってのさゆみたいな存在になるんじゃないか、って、淡い期待をしていた時期があった。今では愚かとしか言えない期待だったけど」

「……仲のいい幼馴染になりたかったってこと?」

「平たく言えばな。それだけ――さゆと巽の関係は、俺にはまぶしい」

まあ、結果、

「琴にその手の期待をいだくのはやめた。琴と俺では、いつも言い合いになるだけだ」

きっと、馬が合わないのだろう。

そのうち本当に殴り合いになるかもしれない。

「そうなの? 気の置けない友達って感じに見えたけど……」

「さゆ、今度眼科行こう」

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