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キモチ8 side晃

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……なんで琴にここまで話しているのか、なんとなくわかった。

俺の過去を知っていながら、琴は俺を腫物扱いしないからだ。

前提、転校してからこっち、前の小学校のクラスメイトとかと逢ったことはないから、琴が異例なのかどうかはわからないけど。

「俺には辛い人生しかない。そういう星のもとに生まれたんだ。……そう思うのを、やめた。さっき話した俺のこと知っても離れなかった子ってクラスメイトなんだけど、その子と親しくなるきっかけがあった。その子は複雑な家庭環境なのにいつも笑顔で優しい。でも、俺が自分のことを卑下にしていたら、今までみたいに一人でいる状況は変わらなくて、この子とも離れるんだろうなって思ったら、それが嫌な未来だったから、自分が変わることにした」

……その子とは、さゆでしかない。さゆが、俺が変わるきっかけをくれた。

「彼女? この子って言い方、女子だよね?」

琴が若干食い気味で訊いてきた。

「だから彼女じゃないって。女子ってそういう話好きだよな」

「琴も女子だからね。でも……そっか。そういう考えもあるんだ……」

「琴、一つだけ訊いておきたいんだけど」

「なに?」

……これは、確認しておきたい。

「捕まるようなことは……やってないよな?」

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