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キモチ7 side晃
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「琴、小学校のとき集中して勉強した科目は成績よかったろ? 集中力と努力に結果が伴う得なタイプなんだから、今から頑張れば、いいとこ行けるんじゃないか?」
小学生の琴は、友達が多くて、いつも誰かと一緒だった。
……反対に、一人でいた俺が、今は友達がいて大事な子もいるんだから、世界はそう簡単に捨てたもんじゃないはずだ。
琴は、俺とは逆側になる右膝に右肘をついて、こぶしを頬にあてた。
「勉強かー。中一でヤンキーはじめてから全然やってないなー」
「強制はしないけど、環境をガラッと変えるのもつまらないを脱却する手だと思うぞ。今ヤンキーの方にいるんなら、優等生の方にいってみるとか。琴は器用だから出来ると思う」
本当に琴は器用なタイプだから言うと、また軽く天を仰いだ。
「……んー。嬉しいこと言ってもらったけど、琴に出来るかなー。勉強は嫌いじゃなかったけど、勉強にもつまらないって思いがあるんだよなー」
……勉強もつまらないのか。
「琴、これは俺の考えだけど、感情は行動より先行すると思ってる」
「……感情?」
意味を問うように、琴の眼差しがこちらへ向いた。
「つまらないと思ってしまえば、何を始めてもつまらないままだ。『つまらない』って感情を先に捨てないと環境を変えても意味がないと思う。俺も、そうだった」
実際、俺も置いて来た感情がある。
「……晃くんの話聞きたいなー?」
小学生の琴は、友達が多くて、いつも誰かと一緒だった。
……反対に、一人でいた俺が、今は友達がいて大事な子もいるんだから、世界はそう簡単に捨てたもんじゃないはずだ。
琴は、俺とは逆側になる右膝に右肘をついて、こぶしを頬にあてた。
「勉強かー。中一でヤンキーはじめてから全然やってないなー」
「強制はしないけど、環境をガラッと変えるのもつまらないを脱却する手だと思うぞ。今ヤンキーの方にいるんなら、優等生の方にいってみるとか。琴は器用だから出来ると思う」
本当に琴は器用なタイプだから言うと、また軽く天を仰いだ。
「……んー。嬉しいこと言ってもらったけど、琴に出来るかなー。勉強は嫌いじゃなかったけど、勉強にもつまらないって思いがあるんだよなー」
……勉強もつまらないのか。
「琴、これは俺の考えだけど、感情は行動より先行すると思ってる」
「……感情?」
意味を問うように、琴の眼差しがこちらへ向いた。
「つまらないと思ってしまえば、何を始めてもつまらないままだ。『つまらない』って感情を先に捨てないと環境を変えても意味がないと思う。俺も、そうだった」
実際、俺も置いて来た感情がある。
「……晃くんの話聞きたいなー?」
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