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キモチ2 side晃

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「はい?」

「水、か、なんかない? 喉やばいんだ……」

「水? ああ、これでよかったら」

鞄に突っ込んでいた、未開封のミネラルウォーターのペットボトルを差し出す。

女性はよろよろとペットボトルを受け取ると、身体を反転させて背中を壁にあて、水を一気に流し込んだ。

そのまま、ずるずると座り込む。

「……大丈夫ですか? 救急車とか……」

「いらない。ちょっと束になってかかられただけ」

ボトルを口から離した女性は、一転、しっかりした声を発した。

「束?」

「喧嘩。してただけ」

……この真っ昼間から? ヤンキーに時刻は関係ないのだろうか。

……ま、どうでもいいか。

通報するような事態じゃなければ、俺はもう行ってもいいかな。

そう思った次の瞬間聞こえて来た一人称に、俺の足は縫い止められた。

「まったく。少し人数増やせば琴に勝てると思ってんのかな。バカみたい。あ、おにーさん、水、ありがと――」

……ん?

「……琴?」

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