上 下
46 / 172
1 好敵手

side想40

しおりを挟む
+++

夕飯も風呂も終えて、僕は自分の部屋で机に向かっていた。

自分で今日の分だと決めた課題は終えて、この五分くらいスマホと睨みあっている。

今まで、美結とは特に用事がないときも連絡をとっていた。

ほとんどが電話ではなくメッセージアプリなのだけど。

今日はどの辺りを勉強したかとか、学校の出来事についてとか。

僕は美結に、僕の感情を悟られないように色々装っていたけど、もうそんなことをする必要はないんだ。

だって美結は今日から、僕の、か……………かのじょ、なわけだし………。

堂々と、美結に可愛いとか好きだって、言っていいんだ。……よな?

――僕から連絡しよう。

腹を括って、文字を打ち込む。

《寝てたらごめんね。
 今日はありがとう、美結》

そこまで打って、僕は机に突っ伏して荒く呼吸していた。

な、なんだこれ……すげえメンタル消耗する……。

たったこれだけの文を打つのにこんなに精神持って行かれるなんて、僕はこの先生きていられるだろうか……?

魂まで持って行かれないうちにメッセージを送る。するとすぐ既読になった。うん? 送って秒間もなくだ。もしかして美結も、僕と同じ状態だった……?

《まだ起きてるよ。
 こちらこそありがとう、想。
 大好きだよ》

僕が憤死――もとい、噴火したのは、言うまでもない。

やはり僕の死因は『美結が可愛すぎる』でしかないようだ。

こんな可愛い美結が彼女になって、僕は明日から生きていけるだろうか……?

当然、《俺も大好きだよ》と送っておいた。

「想―、採点してー……って、何、いつにも増して気味悪いんだけど」

「死ね」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

壁の薄いアパートで、隣の部屋から喘ぎ声がする

サドラ
恋愛
最近付き合い始めた彼女とアパートにいる主人公。しかし、隣の部屋からの喘ぎ声が壁が薄いせいで聞こえてくる。そのせいで欲情が刺激された両者はー

美少女幼馴染が火照って喘いでいる

サドラ
恋愛
高校生の主人公。ある日、風でも引いてそうな幼馴染の姿を見るがその後、彼女の家から変な喘ぎ声が聞こえてくるー

好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。

石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。 すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。 なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。

セカンドラブ ー30歳目前に初めての彼が7年ぶりに現れてあの時よりちゃんと抱いてやるって⁉ 【完結】

remo
恋愛
橘 あおい、30歳目前。 干からびた生活が長すぎて、化石になりそう。このまま一生1人で生きていくのかな。 と思っていたら、 初めての相手に再会した。 柚木 紘弥。 忘れられない、初めての1度だけの彼。 【完結】ありがとうございました‼

睡蓮

樫野 珠代
恋愛
入社して3か月、いきなり異動を命じられたなぎさ。 そこにいたのは、出来れば会いたくなかった、会うなんて二度とないはずだった人。 どうしてこんな形の再会なの?

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…

ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。 しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。 気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…

処理中です...