1 / 2
私は自分の命がこの世で一番‘どうでもいいもの‘かもしれない。
.
しおりを挟む――それでも私がご飯を食べるのは、生きたい、と心の奥底で思っているからなのだろうか。
いきなりの独白を失礼。
私は別に、希死念慮にかられているわけではない。
ただ単に、ふと、そう思っただけなんだ。
なのでヘンに心配しなくて大丈夫。
そもそも私は、私の心のすべてを知ることは出来ない。
私が知っている私の心は、脳が言語化したものに過ぎない。
私が思うに、本来心とは言葉にならないものじゃないかと。
しんどさが限界を超えたとき、一人になった瞬間に大泣きしてしまったこと、声を殺して泣いたことがある人もいるかもしれない。
涙は言葉ではない。
辛い、苦しい、感情を、言葉ではなく表すもの。
そして涙が出てはじめて、限界を超えていたと認識する。
涙が私の心にあったと、それまで私は知らなかった。
とまあ、それっぽいことを言ってみたけれど。
人間、限界はある。
頑張れていても、頑張れていると思っていても、まだまだ頑張れると思っていても。
ぷつり、と糸が切れてしまうことがある。
そんなあなたに、私が何かを言えたわけではないけれど。
死んだつもりで生きてみろ、なんて言わない。そんなことが出来るのはほんの少し。
可能だったら、横になって。
泣きながらでいい。
布団で涙を拭いながら、枕に涙をこすりつけながら、ただ目をつむって。
辛い辛い、苦しい苦しい、頭に浮かんでくるのはそんな言葉ばかりだよね。
無理に違うことを考えようとしなくていいよ。
明るいことを、前向きなことを考えなくちゃ、なんて思わなくていいよ。
涙が枯れるまで泣いて。
同じ言葉を繰り返すことに疲れるまで弱音を吐いて。
そう、落ち込むことに疲れたり、飽きたりするから。
泣き続けることが、泣き言を言い続けることが面倒くさくなったりもするから。
あとね、時間制限をつけるのもいいよ。
今夜はめいっぱい泣きまくる! 朝になったら気持ちを切り替える!
そう、自分で区切りをつけておくの。
私にとって、私の命ほど軽いものはない。
そう思っている私の考えも、そのうち変わるかもしれない。
今の状況がずっと続く、なんてことはありえないから。
あと、これはやれるときでいいんだけど……こうなったらいいな、を、ノートに書きだすのもいいよ。
あなたの願いが、叶いますように。
END.
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私は婚約者にも家族にも親友にも捨てられた。なのでようやく好きな相手に嫁げます!
下菊みこと
恋愛
捨てられたから幸せになれるお話。
ジョルジェットは婚約者に捨てられ、家族に捨てられ、親友に捨てられ、奈落の森へと逃げ込んだ。そこで待つのは…。
小説家になろう様でも投稿しています。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
離れ離れの婚約者は、もう彼の元には戻らない
月山 歩
恋愛
婚約中のセシーリアは隣国より侵略され、婚約者と共に逃げるが、婚約者を逃すため、深い森の中で、離れ離れになる。一人になってしまったセシーリアは命の危機に直面して、自分の力で生きたいと強く思う。それを助けるのは、彼女を諦めきれない幼馴染の若き王で。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】私の婚約者は、親友の婚約者に恋してる。
山葵
恋愛
私の婚約者のグリード様には好きな人がいる。
その方は、グリード様の親友、ギルス様の婚約者のナリーシャ様。
2人を見詰め辛そうな顔をするグリード様を私は見ていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる